日本の東北地方に位置する県。県庁所在地は福島市。最大の都市はいわき市。 面積は北海道、岩手県に次ぐ全国3位、都道府県別の人口は全国21位、人口密度は全国40位である。 県内は南北方向に延びる山脈・山地によって、地形・気候・交通・歴史などの面に違いが顕れており、3地域に分けられている。県の西部に位置し越後山脈と奥羽山脈とに挟まれた日本海側内陸にあって4割弱の面積に約13%の人口を擁する会津、県の中央部に位置し奥羽山脈と阿武隈高地とに挟まれた太平洋側内陸にあって4割弱の面積に約62%の人口を擁する中通り、県の東部に位置し阿武隈高地と太平洋とに挟まれた太平洋側沿岸にあって2割強の面積に約25%の人口を擁する浜通りである。 これら3地域の地域差が顕著に見られる例を挙げると、近年の降雪の深さの合計があり、会津の会津若松市は300 - 400cm程度、中通りの福島市は100cm前後、浜通りのいわき市小名浜は10cmに満たない年が多く、冬季の生活習慣に顕著な影響を与えている。県の広域行政単位は上記3地域をさらに細分している一方、県名以外にも多用されるうつくしまとのキャッチコピーが県内各地で用いられ、統合のイメージも創られている。 現在の福島県には幕末に、親藩かつ雄藩だった会津藩(23万石)があったが、他は親藩・譜代・外様の10万石に満たない多数の藩に分かれていた。廃藩置県後の紆余曲折の後、1876年8月21日に会津の前身にあたる若松県、中通りの前身にあたる福島、浜通りの前身にあたる磐前県の、計3県の合併によって当県が成立した。なお、県名の福島は3県合併によって県庁所在地となった福島町から採ったものである。また福島の名は、福島城として使われたのが最初とされる。 当県には1899年に全国7番目、かつ、東北初の日本銀行営業所が開設されるほど鉱工業が発達していた。 県内に一極集中都市はなく、人口30万人前後の都市が3市あって機能分担している。すなわち、浜通りには、広大な面積を持ち、かつては炭鉱都市であったが現在は臨海工業、漁業、温泉などの観光が集積するいわき市があり、中通りには行政機能が集中し全国有数の果樹地帯を形成している福島市、そして、商業・内陸工業地帯となっている郡山市(テレビでは日本テレビ系列FCTとテレビ朝日系列KFBが所在)とがある。また、会津の中心都市で史跡が多く存在する観光都市の会津若松市、中通りにあって古くからの奥羽(東北地方)の玄関口であった白河の関がある白河市も重要な歴史都市である。その他、浜通りの相双には漁業と電源立地が、南会津には大内宿を初めとする観光地があり、会津と中通りとにまたがる磐梯朝日国立公園には磐梯高原・五色沼・猪苗代湖などリゾートエリアも擁する。 福島県は東西に長い形状をしているが、2つの山地によって浜通り・中通り・会津の3つの地域に分かれており、天気予報でもこの呼称が使われている。東から順に、太平洋と阿武隈高地に挟まれている浜通り、阿武隈高地と奥羽山脈に挟まれている中通り、そして奥羽山脈と越後山脈に挟まれている会津となっている。 地形的に山地で隔てられているために、山越えした地域同士の交流は浅く、気候や文化にも差があり、3地域での同一県として帰属意識は低い。また南北においても城下町として栄えた会津若松を中心とする北会津地方と南会津地方、宿場町だった郡山市をはさんで県北地方と県南地方で歴史の違いや交流が乏しい傾向がある。同様に沿岸部においても相双地方といわき市にもこの傾向があることから、福島県は他県に比較すると一つの県としての統一感に乏しい傾向にある。